婚活よりも心が満たされた夜ごはんの話。誰かと暮らす前に大事だと気づいた静かな生活の価値

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「ひとりで食べるごはん」が、ただの強がりじゃなくなった夜のこと

ダイエット女性

三月の終わりっぽいのに、朝の空気だけはまだ少し冷たくて、駅までの道を歩きながら、薄手のコートで出たことをちょっと後悔していました。春って、やさしい季節みたいな顔をしているのに、朝だけ急に現実的で、そういうところがあるなと思います。

今日は特別な日ではなくて、仕事もいつも通りで、誰かに告白されたわけでも、元彼から連絡が来たわけでもなくて、ブログのネタになりそうな派手な出来事なんて何もありませんでした。けれど、こういう「何もない日」の中に、前までならちゃんと見過ごしていた自分の本音が、急にくっきり輪郭を持つことがあります。

帰り道、駅ビルの地下で、少し高めのお惣菜と、ずっと気になっていた小さなタルトを買いました。

誰かと食べる予定があるわけじゃないのに、ひとり分だけ。サラダも、スープも、主菜も、全部「自分が今食べたいもの」だけで組み立てた、妙に気持ちのいい夜ごはんでした。レジで会計しているとき、前に並んでいたカップルが「それ二人で分ける?」と話していて、その何気ない一言に、昔の私なら少しだけ胸がざわついたと思うんです。

二十代の頃は、そういうささいな場面ですぐに、「私はいつまでひとりなんだろう」と勝手に寂しくなっていました。

でも今日は、びっくりするくらい自然に、「いや、私はこのタルトを全部ひとりで食べたいな」と思ってしまった。

その瞬間に浮かんだ本音は、たぶん誰にも言っていないし、言うとちょっと性格が悪く聞こえるから、普段なら自分の中でも濁す類のものです。けれど、正直に書くと、三十一歳の今の私は、「早く結婚しなきゃ」より先に、「このごはんの時間を雑に扱う人と暮らすくらいなら、ひとりで静かに食べたい」と思っているんですよね。

日本では2024年の平均初婚年齢は妻が29.8歳、夫が31.1歳で、結婚のタイミングは以前より後ろにずれてきています。

しかも、国立社会保障・人口問題研究所の調査では、未婚女性のあいだで「一人の生活を続けても寂しくないと思う」と答える割合は2021年に50.7%まで増え、過半数を超えました。

さらに「生きがいとなるような趣味やライフワークを持っている」と答えた未婚女性も63.7%にのぼっています。

つまり、結婚をまったく望まない人ばかりという話ではないけれど、「ひとりでいること=不幸の途中」では、もう説明できない現実がちゃんとあるのだと思います。

二十代の頃の私は、結婚したいというより、「ちゃんとした人生に見える方へ急ぎたい」気持ちのほうが強かった気がします。

周りが少しずつ結婚し始めて、SNSには苗字の変わった友達が現れて、久しぶりに会えば家の話とか保険の話とか、なんだか生活の本丸みたいな話題が増えていって、自分だけまだ入口の前に立っているような気がしていました。

あの頃の「早く結婚しなきゃ」は、恋愛感情というより、遅れを取り戻したい気持ちに近かったのかもしれません。

「いい人なら誰でもいい」わけじゃない、とやっと思えた

体重を測る女性

昔は、「結婚は勢いとタイミング」みたいな言葉を、かなり本気で信じていました。もちろんそれが当てはまる人もいるし、勢いで進める強さが必要な場面もあると思います。

でも、年齢を重ねるにつれて、勢いで始めたものを毎日続けるのは、別の種類の体力がいるんだとわかってきました。

今日、買ったタルトを食べながら思い出したのは、以前、気になっていた人と食事に行ったときのことです。その人は別に悪い人ではなくて、会話も普通に成立するし、世間的に見れば「ちゃんとしている人」でした。

ただ、店員さんへの言い方が少しきつかったり、私が「これ美味しい」と言ったものに対して「それコスパ悪くない?」と返してきたり、そういう細かいことで、食事のたびに私の機嫌がほんの少しずつ削れていったんです。

そのときはまだ、「でも結婚って、多少の違和感には目をつぶるものなのかも」と思おうとしていました。今思えば、あれは成熟ではなく、ただの諦めの練習だった気がします。

毎日一緒にいる相手って、特別な日に優しいかどうかより、疲れている火曜日の夜に、こちらの沈黙をどう扱うかのほうがずっと大事なのに。

わかる……と、ここで頷く人、たぶんいると思います。大きな欠点じゃないからこそ、周りには説明しづらい違和感ってあるんですよね。

殴られたわけでも、裏切られたわけでもない。だけど、その人といると、自分の好きな食べ方、休み方、黙り方までじわじわ崩れていく感じがする、あの嫌な感覚。

国立社会保障・人口問題研究所の2021年調査でも、未婚者が結婚相手に求める条件として、男女ともに「人柄」「家事・育児の能力や姿勢」「仕事への理解」が重視されていました。

昔ながらの「条件のよさ」だけではなく、生活をどう一緒に運営できるかが、現実的に見られているのだと思います。

ひとりで食べる幸せは、自由というより「消耗しないこと」だった

ダイエット女性

ひとりで美味しいものを食べる、というと、なんだか強い女の宣言みたいに聞こえることがあります。ひとり焼肉、ひとり寿司、ひとり旅、ひとりホテル。たしかにそういう言葉は少し痛快だし、誰にも気を使わず好きにできる自由には、ちゃんと快感があります。

でも、今日の私が感じたのは、それよりもっと地味なものでした。

自由というより、消耗しないこと。

これが、今までブログであまりちゃんと書いてこなかった感覚かもしれません。

私はこれまで、ひとり時間のよさを書くとき、どちらかというと「自分を整えられる」とか「好きなものを選べる」みたいな、少しきれいな言葉でまとめがちでした。でも本当は、もっと生活臭のある理由がある。

誰かに合わせて献立を考えなくていい。
食べる速度を気にしなくていい。
会話が途切れたとき、焦って埋めなくていい。
こちらの機嫌が落ちている日に、「なんで?」と追及されなくていい。
逆に相手の不機嫌を、ごはんでなだめる係にならなくていい。

そういう、「削られない」ことのありがたさを、三十一歳になってかなり切実に感じるようになりました。

未婚女性のあいだで「一人の生活を続けても寂しくない」と答える割合が増えているのは、単純に個人主義になったから、というだけではない気がしています。

自分の生活をどう守るか、自分の感情を誰に預けるか、そのコストにみんな前より敏感になっているのかもしれません。

これは統計の直接的な結論ではなく、数字から私が勝手に感じたことではあるのですが、少なくとも「結婚すれば安心」「ひとりは寂しい」という昔ほど単純な時代ではないことは確かです。

それでも結婚したくないわけじゃない、というややこしさ

ここでややこしいのが、別に私は結婚を完全に否定したいわけじゃない、ということです。そこが自分でも少し面倒くさい。

ひとりでいるほうが楽だと思う日もあれば、ふとした瞬間に、誰かと「これ美味しいね」と言い合える食卓が羨ましくなる日もあります。

体調を崩した夜とか、仕事で心がすり減った帰り道とか、コンビニの明るさがやけにしみる日には、ああ、ただいまって言える相手がいたら違うのかなと思ったりもします。

でも、その「誰か」が誰でもいいわけでは、もう本当にない。

第16回出生動向基本調査では、結婚意思のある未婚女性のうち、30~34歳で「一年以内に結婚したい」と答えた人は18.5%でした。一方で「理想的な相手が見つかれば結婚してもよい」と答える層が大きく、急いでとにかく結婚、というより、相手次第で考えたいという態度が読み取れます。

平均初婚年齢が上がっていることも合わせると、年齢が上がるほど焦りが消える、というより、焦りだけでは決められなくなるのだと思います。

たぶん三十一歳って、「結婚したい/したくない」の二択で自分を整理できなくなる年齢なんですよね。したい気持ちはある。けれど、間違えたくない気持ちはもっとある。その順番が、二十代の頃とは逆転している。

昔は、寂しさを埋めてくれる人を探していた気がします。今は、自分の静かな時間を壊さない人じゃないと無理だと思っている。これって、冷たくなったんじゃなくて、ようやく生活の現実に追いついたということなのかもしれません。

今日、ひとり分の夜ごはんをテーブルに並べたとき、部屋は静かでした。テレビもつけずに、スープの湯気だけがちゃんと上がっていて、タルトのいちごが思ったより甘くて、そんな小さなことにいちいち機嫌がよくなる自分がいました。

そこでふと、二十代の頃の私は「ひとりでこんなごはんを食べる夜」を、少し負けみたいに感じていたな、と思い出したんです。

でも今は違う。

これは、誰かに選ばれなかった夜じゃなくて、自分の機嫌を守れた夜なんだと思う。

その感覚は、たぶん以前よりずっと地味で、でもずっと信頼できます。華やかな決意表明でも、強がりの名言でもない。

ただ、変な人と無理に人生を組むくらいなら、ちゃんとお腹が空いた夜に、自分の好きなものを買って帰るほうがいい、という、ごく生活的な実感です。

結婚って、幸せの証明書じゃなくて、生活の共同運営みたいなものだと思うから。だったら、相手を選ぶ基準が「世間にどう見えるか」から「この人といると、自分の生活がすり減らないか」に変わるのは、わりと自然なことなのかもしれません。

もちろん、明日になったらまた少し寂しくなるかもしれないし、友達の結婚報告を見て心がざわつく日も普通にあると思います。

人の気持ちはそんなにきれいに一本化しないし、今日の正解が明日も正解とは限らない。だけど少なくとも今夜の私は、焦りよりも、静かな納得のほうを信じたいです。

「早く結婚しなきゃ」と思っていた頃より、「変な人と結婚するくらいなら、ひとりで美味しいものを食べたい」と思える今のほうが、少しだけ自分の生活に責任を持てている気がするから。

あなたは最近、自分の寂しさより先に、自分の平穏を守りたいと思ったこと、ありますか。

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